クマの話
最近、クマの被害をよく聞きます。冬眠前の栄養をとらなければならない時期に、えさがなくて山から民家付近までおりてきて、人が被害にあってしまう。しかたなくて駆除するということなのでしょうが、この駆除に対して動物虐待で苦情が多数よせられているとのことです。
これには少し驚いてしまいました。例えば趣味の狩猟など、楽しみでやっているならいざしらず、人的被害をふせぐためにやむを得ずやっていることなのに。もし駆除しなかったら、自分たちの生活や命がおびやかされるという理由からだと思います。それなのに、動物虐待で苦情がくるのですね。
よく考えてみれば、もともとクマのすんでいるところに人間が入ってきたのかもしれないし、えさがないのも、地球温暖化で気候が安定しないせいかもしれません。地球温暖化にしても、そもそもは人間のなせることが原因。だとするとクマを駆除するのは、人間の傲慢?といろいろ考えてしまいました。
ところが、苦情をよせるのは地元からではなく、被害があったところから遠い地域からがほとんどらしいです。誤解をおそれずに言えば、それはしょせんひとごとだから、自分やその周辺には被害が及ばないからということが前提になっているからではないでしょうか。極論をいえば、それじゃ、自分は肉や魚は食べないのか、蚊やハエは殺さないのか、それも動物愛護の精神に反するのではないかと思ってしまいます。苦情をよせる人のほうが傲慢なんじゃないかと思うのは間違いでしょうか?
いずれにせよ、共存できればそれが一番いいとは思いますが、その線引きは難しいと感じる出来事でした。
今週の展示は「靑石娜和写真展『羽化』」です。ギャラリーいっぱいのポートレートに圧倒されます。みごたえのある写真展ですので、是非お越しください。 28日まで。入場料:500円